将棋ウォーズで二段になったので採用している序盤作戦について書いてみた

 先日将棋ウォーズで二段になりました。将棋を始めたきっかけは電王戦FINALなので、将棋歴は約3年ということになりますね。ちょうど区切りも良いということで、今回は二段になったタイミングで採用していた序盤作戦についてまとめてみたいと思います。

 局面図もいくらか載せてみますが、手順とかは正確ではないことをご了承ください。

居飛車

 相居飛車は基本的に横歩取り、角換わりを目指します。相手の変化によっては雁木や、その他力戦という感じになります。

1.角換わり

 角換わりは基本的に先手でも後手でも腰掛銀で4八金2九飛車の形を目指します。もちろん駒組の段階でも仕掛けを考えはしますが、大抵は図のように自陣を組んでから相手の形に応じて考えることになります。

 一番気分として楽なのは相手が5二金、8二飛車の形で4四歩と突いてくれている形(下図)で、これなら4五歩から仕掛けて良いんじゃないかなぁという感じです。形勢としては別に差はないとは思いますが、先攻できるならまぁ不満なしです。f:id:tokumini:20180208133423j:plain

 一番嫌なのは同型(下図)になることで、そうなるともう仕掛けがわからないので先手でも千日手やむなしの姿勢で、多少待機気味に玉を動かしたりして相手に隙ができるのを待つしかなくなります。しかし意外と千日手にはならないもので、こっちがバランス崩したり相手が崩したりしてなんだかんだ決着はつくものです。多分あまり僕の勝率は高くないと思います……。f:id:tokumini:20180208133724j:plain

 相手が早繰銀ならば腰掛けるのを急いで6五歩で相手の銀を追っ払う形(下図)を目指します。しかしこれ棒銀に切り替えられたりしたときにちゃんと受かるのかは自信がありません。f:id:tokumini:20180208134048j:plain

2. 横歩取り

 横歩取りは先手なら勇気流、後手なら斎藤流を目指します。といっても特に研究しているわけではないので、形とか狙い筋だけをちょっと真似している程度ですね。

 当然、勇気流は相手にやられることもあって、その時には飛車をぶつける作戦(下図)をやっています。これはプロで前例があったやつで、初出がどの対局かは知りませんが僕が記憶しているのは去年の羽生-村山戦ですね。一度だけ40手くらいこの前例をなぞりあう展開になったことがあり、その時は僕が先に手順を忘れていて負けにしたので、特に記憶に残っていますね。f:id:tokumini:20180208135832j:plain

 後手では斎藤流(下図)を目指します。斎藤流は神崎蘭子さんの将棋グリモワールを読んで知ったもので、まだちゃんと変化とかを全部覚えているわけではないんですが相手よりは多少知識はあって有利かなぁというくらいです。f:id:tokumini:20180208140038j:plain

 横歩取りの後手を持っていて気になるのはときどき8七歩と受けるのが早い(下図)人がいることですね。これは一応2四飛と回れば先手は歩で謝るしかなくて多少指しやすいと思っているんですが、まぁめちゃくちゃ有利というわけでもありませんか。f:id:tokumini:20180208135903j:plain

3.対雁木

 最近はプロの影響なのか、相手が角道を止めてくる居飛車力戦みたいな形がちょっと増えた気がします。しかしこれは叡王戦本戦の丸山-小林戦のように船囲い+早繰銀というような形にすれば互角以上の形勢で先攻できる(下図)ことが多いので特に不満はないという感じですかね。f:id:tokumini:20180208140818j:plain

 これは銀を2六と4六のどっちにあがるべきなのかなぁとかちょっと迷いますが、うーんまぁよくわかりません。

振り飛車

 対振り飛車では対抗形が苦手なので相振り飛車を目指すようにしています。特に向飛車に振って相居飛車の左右反転した局面としてとらえていきたいところです。手数の関係で相振りにしにくい先手の時だけはちょっと対抗形も指すように変えつつあるタイミングで二段になりました。

4.対四間飛車

 先手だと3手目に2六歩と突いてしまうのが相振りを目指すうえでネックとなります。特に最近は雁木が増えたこともあって、角と左銀だけ動かされると雁木か四間飛車か判別できないことが多いく、困りどころです。雁木には居飛車を、四間飛車には相振りをやりたいのですが、どちらでも対応できるようにしても下図くらいが限界なので最近は諦めて対抗形をやるようにしています。2五歩まで指してしまうと相振りにはしづらい気がしているのですが、2六歩は許容しているのに一貫性がないかもしれません。f:id:tokumini:20180208141820j:plain

 とりあえず最近の対四間飛車先手番では対抗形、急戦を目指します。穴熊はさっぱり得意ではないので急戦で頑張ります。よくやるのは下図のような形で、飛車角銀桂でなんとか攻めていきたいところですが、やっぱり自玉が薄くて大変なことが多いですね。f:id:tokumini:20180208150353j:plain

 後手だとほぼ相振りにします。これは8四歩の一手を省略できることが多いからです(下図)。しかし雁木に警戒しつつの駒組となるので、厳密には相手に上手くやられると不利な展開になる気がしています。f:id:tokumini:20180208142301j:plain

 具体的には相手に囲いよりも攻めを重視されると嫌で、下の局面は5五銀が見えてても受からないような気がします。しかし個人的な印象としてはそこまでこうやられる頻度は高くなく、四間飛車を指すような人はあまりこういうことはしない性格なのかな……? とか思います。f:id:tokumini:20180208142813j:plain

5.対三間飛車

 あまり三間飛車には当たらない気がしているんですが、結構やられて嫌な作戦ではあります。大抵は対四間飛車と同じように先手なら対抗形、後手では相振りを目指します。しかし後手で対四間飛車と同じように相振りを目指すと時々いきなり突っかけらて、そこでなんとなく7二飛車とぶつけるのが何度か経験した局面です(下図)。f:id:tokumini:20180208144010j:plain

 別に飛車交換する一手ではないと思いますが、今までのところは交換になることが多い感じですかね。こうなれば互いに飛車を持ち合っての戦いになるのでまぁ対抗形よりは好みの将棋になります。

6.対中飛車

 対中飛車でも相手の態度が早いなら相振り、そうでなかったら対抗形という感じになっています。対抗形になるのは大抵相手の後手ゴキゲン中飛車なので主に超速で対応します。対中飛車の相振りはツノ銀雁木のような形にしていきます(下図)。他のよくわからない相振りよりは隙がない感じに組めることが多く、これはこれで一局になっているという気がします。f:id:tokumini:20180208144744j:plain

7.その他振り飛車

 角交換振り飛車は対抗形にすることが多いのですが苦手な戦型ですね。

 向飛車も逆棒銀の筋をそのまま食らって負けるということを何度かやらかしている気がします。

 この辺のちょっと遭遇頻度が低い振り飛車は苦手で、対抗形の指し方、考え方が根本的に身についていないという気がします。

終わりに

 特に相居飛車ではプロが指す戦型を真似をするというのが僕の好みとなっています。対抗形はよくわからなくて変な相振りに逃げたりしていますが、三段を目指すとしたら対抗形をきちんと見つめ直す機会が必要なのだろうなぁと感じているところです。

 三段になれる気はさっぱりしないのですが、初段になったときも二段になれる気は全くしなかったなぁということを思い出すとそういうものなのかもしれません。